2017年9月20日読了時間: 2分庾信とその息子月明かりが綺麗な夜だった。 物音で目を覚ました私は、すぐ隣で寝ているはずの父の姿が無いことに気付く。厠にでも起きているのだろうと初めは思ったが、それにしては戻ってくるのが遅い。何やら言いようのない不安が心にじんわり貼りついて離れないまま、寝返りを二度三度と繰り返した。...