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走り書き

お酒に酔った庾信がかわいいという話を今まで性懲りもなく続けてきたわけですが、賜酒を蒙る詩についてのある論文を読んで、なるほどそういうことだったのかと目から鱗が落ちる思いがしました。 その一方で韜晦云々のくだりがどうにも腑に落ちずどうしてもやもやするのかもよく分からないまま悶...

庾信とその息子

月明かりが綺麗な夜だった。 物音で目を覚ました私は、すぐ隣で寝ているはずの父の姿が無いことに気付く。厠にでも起きているのだろうと初めは思ったが、それにしては戻ってくるのが遅い。何やら言いようのない不安が心にじんわり貼りついて離れないまま、寝返りを二度三度と繰り返した。...

舟と月と酒と

【10/04追記】訂正しようしようと思いながら随分放置していましたが、十五夜→月→…といえばこの詩!という訳でようやく着手。自分にとっての見やすさが最優先なので取り消し線とかは使っていません(あと単純に恥ずかしい) ネット上で庾信の詩の話をしている方といえば、ということで小...

荊軻と庾信

なぜ荊軻と庾信かって、どちらも自分が好きだから以外の何物でもないわけですが、ざっと探して故事を引いている例をメモしてきたのをここにも載せてみます。 『史記』刺客列伝に見える荊軻の故事は、高校の授業で読んで私が漢文に興味を持つきっかけになったので特に思い出深いんですよね。自分...

庾信(一)

衛王贈桑落酒奉答   衛王に桑落酒を贈られ答え奉る   庾信 愁人坐狭邪   愁人 狭邪に坐し 喜得送流霞   流霞を送らるるを得たるを喜ぶ 跂窓催酒熟   窓に跂りて酒の熟ゆるを催うながし 停杯待菊花   杯を停めて菊花を待つ 霜風乱飄葉   霜風 飄う葉を乱し...

※裁判所法兄妹(+大審院)の何か いつもの法ロジ+法プラクロスオーバーです そこは文字通り夢のような場所だった。 辺りに立ち並ぶ桜並木。花々が空を埋め尽くし、明るい陽射しが降り注いでいる。 ふと気配を感じて振り返ると、見たことのない人が立っていた。長く伸ばした黒髪と法服が風...

もうひとつの邂逅

「邂逅」の別ver。 こちらは法ロジベースで大審院がいるイメージ。大審院と同じ世界の構成法に出会うのはこれを書いてから約一年後のことでした。 気晴らしに大審院が部屋を出て歩いていると、辺りを見回しながらうろうろしている見知らぬ子供が視界に入った。 「おや?」...

瓶詰めの金平糖

バレンタインのワンシーン詰合せ。腐向けだったり腐向けじゃなかったりどさくさに紛れて誕生日を祝っていたり色々してます。 内訳:日憲と刑訴(法プラ)→裁判所構成法と大審院(クロスオーバー)→刑法と治罪法(法ロジ)→改定律例と新律綱領(法ロジ)...

大人の階段【BL】

法ロジの旧刑法と治罪法でポッキーネタ。二人が思いっきりできています。 「あいつ遅いな」 秋もいよいよ深まり、冬の寒さを感じる日も増えてきたこの頃。居間の炬燵を囲んだ兄弟が末っ子の帰りを待っていた。 「そろそろ戻ってくる頃合のはずだけど」...

呪痕

1970年の法学セミナーの連載「司法権独立運動の証言・2 旧憲法下の司法権」を読んでいて、 >もしほんとうに物の道理を十分に擁護するような裁判所ができていたとしたら、明治憲法も天皇絶対権制度も崩壊してしまうであろう。そんなことが起こりえないようにしなければならないがために、...

夜咄【BL】

堂々と腐向けかつ読んで字のごとく夜の咄。 構成法×大審院(例によってクロスオーバー) すっかり日が落ちて閑散とした廊下を進む。職場の一つである此処にこんなに遅い時間まで残っている人はごく僅かだ。そのごく僅かのうちの一人に私は用事があった。もっとも、彼の場合は「残っている」と...

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